好きなモノ、先に食べるか後に食べるか
昔、週に3回は通ったうどん屋があった。
まだ20代の頃だ。
普段は一番安いうどん定食、確か450円だったと思う。
ちょっと余裕のある時は、天ぷらうどん定食をよく注文したが、何を注文してもハズレは無かった。
とにかく、ここのうどん屋は量が多いことで有名だったが、当時、その体のどこに入っていくのかと言われるほど大食漢だった私は、いつも完食
汁まで全部飲み干していた。
よく一緒に行った友人は、幼稚園児ぐらいの食の細さ
いつも彼女の残したうどんまで食べていた。
天ぷらうどん定食の海老の天ぷらは、メッチャ大きくて食べ応えがあった。
海老の天ぷらは、いつも最後の最後に、うどんの汁を吸って衣がふやけた頃に食べるのが好きだった。
そんなうどん屋に通っていたある日
友人と足を運び、また、天ぷらうどん定食を注文した。
いつものように海老の天ぷらを最後の楽しみに、うどんをすすり、ご飯を食べ、小鉢のおかずも全部平らげた。
いよいよ海老の天ぷらだ、と思った矢先
店内を飛び回っていたハエが、海老の天ぷらだけが残った汁の中に飛び込んだ。
嗚呼
食べ物の恨みは恐ろしいと言うが、この時ほどハエが憎いと思ったことはない。
一緒に行った友人は、好きなモノは先に食べる派
友人が注文した天ぷらうどんの海老の天ぷらは、すでに彼女の胃の中だ。
この時ばかりは友人までも恨めしく思えた。
この時からだな
好きなモノから真っ先に食べるようになった。
いつまでも器に残しておくと、あの時の悔しさが甦る。
今日の夕ご飯
夜勤明けの今日
作り置きおかずで食卓を埋めた。
今日の夕ご飯
鶏ハム
鯖の味噌煮
小松菜のごま和え
炊き込みご飯
漬物&梅干し
けんちん汁
本麒麟
梨
先日、従姉とお墓参りに行った帰り、奮発して買った梨に、ようやく包丁を入れた。
冷蔵庫に入った梨を眺めていてもしょうがない。
眺めているうちに腐ってしまえば、海老の天ぷらの二の舞になるだけだ。
美味しいものは、もったいぶらずにさっさと食べよう。
明日、生きているとは限らないし