定年退職から一夜明けて

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もう日が変わってしまったけど、3月31日の辞令交付式を終え、これで長年勤めた職場を晴れて定年退職

「お疲れさまでした。」

と、自分自身にもねぎらいの言葉をかけ、これで何もかも終わったという開放感と安堵感でいっぱいになりました。

辞令交付式の後、コロナ禍のこの時期なのに、こっそり職場の有志数人に呼ばれ居酒屋で送別会をしてもらいました。

有志と言っても20代、30代、40代のヤングばかり

還暦の私のために、まったくもってありがたい話です。

居酒屋なんて何年振りって感じでしたが、居酒屋メニューを心ゆくまで堪能すると、飲んだくれだった昔の私に戻ったようで、その雰囲気に懐かしささえ覚えるほどでした。

4時間以上も職場では聞いたことのないヤングたちの本音や悩みなど、彼らのプライベートに触れると、普段凛として仕事をしている彼らも、意外に普通の人間なんだなぁと思った次第です。

そんなところで、的外れだと思われようが60代の私の意見を言うと、意外にもすんなり受け入れられたりして

その辺りはヤングたちも適当に私に合わせてくれたのかも知れませんが

まぁ、何でもいいんですょ

悩みなんて最終的には人に解決してもらうんじゃなくて、自分で解決するんですから

長い長い宴が終わったあと、車を運転して帰る女子の車で宿まで送ってもらい、最後に手渡されたのがビール1カートン

今どきのヤングたち

コロナ禍のこんな時に、掟破りの送別会をこっそり開いてくれた上に、こんなプレゼントまで準備してくれていたとは、涙がチョチョ切れそうでした。

だけど、その後がいけない。

もらった1カートンのビールを宿の駐車場に止めてあった私の車に積もうとした時、迂闊にも私は車止めにつまずいてビールを抱えたまま前のめりに転倒

まぁ、幸いなことにかすり傷ひとつありませんでしたが、最後の最後に面白い光景をヤングたちに見せてしまったというオチでした。

彼らを見送り、一人私は宿の部屋へ

老舗の温泉宿は昭和の雰囲気が漂い、この街で過ごす最後の夜にはぴったりでした。

もうすぐ日が変わる直前に、誰も入っていない大浴場で香しいバラ風呂を満喫した後、部屋へ戻って布団に入るや否や夢の中

どこでも寝れる私の特技とでも言いましょうか

気づいたら4月1日の朝でした。

今日から私の第二の人生の始まりです。

宿を出る頃には昨夜の暴雨風もすっかり納まり、実家の母の顔を一目見てから、車で2時間かけて戻った新しい住まい

市役所への届け出や自治会のあいさつなど、忙しい一日となったけど、一つづつ色んなことが片付き、心の底からホッとして自分の時間が持てるのはこれからです。

天気のいい日には南天の木の植替えもしたいし、時間のかかる料理もしたいし、部屋の隅から隅まで拭き掃除もしたいし、無料で利用できる市民図書館で本を借りて読書にふけるのもいい。

これから迎える本格的な園芸シーズン

玄関ポーチにはもっともっとたくさんの花でいっぱいにしたいし

定年退職後の暮らし方って人それぞれだと思うけど、ちょっと一服するのもまんざら悪くはない。

と、私は思います。