同じ匂いがしていた彼女もまた脱田舎 / 違いがわからない

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同じ匂いがしていた彼女もまた脱田舎

1年前まで同じ部署で働いていた彼女

まだ20代独身の彼女は、どこか物憂げな表情をすることがよくあって、パーッと明るいタイプの子ではありませんでした。

そんな彼女と休憩時間に一緒になった時、聞けば彼女の家族構成もちょっと複雑のようでした。

彼女を初めて見た時、どおりで同じ匂いがすると思っていました。

ワケアリ家族で育った人は何となく雰囲気でわかります。

私もそうなので

この片田舎には同じ苗字の人が多く、どこかでみんなが細くつながってるような親戚一同だったりするのは驚きです。

下手に悪口なんか言えません。

逆に、小さな観光地でもあるこの街は流れ者も多く、我が家はまさしくそれ

だったらなんだという話なのだけど、昔からこの街に親戚一同で暮らしている人たちと流れ者の温度差とでも言いますか

考え方が根本的に違うところがあるんです。

随分前の話しだけど、娘が小学生だった頃、うちで遊んでいた娘の同級生の父親が、その子を夕方迎えに来たのはいいのだけど、勝手にうちの中まで上がってきて、部屋中を見て回ったのには目が点でした。

自分の家も他人の家も同じという感覚なのでしょう。

他人のテリトリーにズケズケと入ることは当たり前

この田舎の人にとってみれば、何でも知っておきたい親切心なのだろうけど、私からしてみればそんなことはあり得ない話です。

初対面で聞かれることはだいたい同じ

家はどこ?
親はどこに住んでいるの?
仕事は何をしているの?
兄妹は?
兄妹の仕事は?

そこら辺りの質問から私などはギブアップ

出来れば話したくないことまで田舎の人たちは遠慮会釈なしに、まるで尋問のように質問攻めです。

そこで答えたことが、いつの間にかご近所さんや職場でうわさになっているのも珍しくない話

これは田舎に限らないことかも知れないけど、とにかく他人のことに異常なまでに過干渉な土地柄だということは確かです。

そんなこの田舎街に、よその街から移ってきた私と彼女が、たまたま一緒になった休憩時間に話したことは、この街で暮らすことの窮屈さでした。

理由は私が常日頃から思っていることと同じ

彼女もまた、あらぬ噂話を立てられたり、過干渉な人たちに辟易していたようです。

そんな彼女は、私と時を同じくして年度末で退職

なんと私が引っ越す街に彼女もまた引っ越すことを今日聞きました。

なんという偶然

親子以上に歳が離れている彼女と連絡先を交換して、引っ越し先でまた会える楽しみができました。

馴染めない小さな社会でもがくより、別の社会に飛び出して得られる解放感や自由

彼女はいい選択をしたと思います。

私がこの田舎街を出る一番の理由は、むしろそんな理由で、母親の呼び寄せなんていうのは建前なのかも知れません。

違いがわからない

忙しい毎日

一日のどこかでホッとする時間があると明日への活力につながります。

芋焼酎にちょっと飽きてきたこの頃

再び本麒麟のお世話になっております。

いつの間にか第3のビール本麒麟もリニューアルされたようで、缶にデカデカと『新』という字が入っていました。

だけどリニューアル前と味の違いがまったく分かりません。

全く味が変わってしまっても本麒麟じゃなくなってしまうからでしょうか

これから田舎を脱出する私と彼女

おそらく二人の本質も変わらないでしょうね

そもそも人間の本質なんて、住む場所が変わったところで簡単に変わるモノでもないでしょうし

変わらない方がいいものだってあるんですょ