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仕事から解放された暁にしたいこと

まだまだ元気だと思っていた実家の母も、最近では伝い歩きがやっとの状態で危なっかしくて仕方ありません。

以前は紙パンツの中でおしっこを漏らすと、足元までずらした紙パンツを上手に杖を使って脱いでは、新しい紙パンツに替えていた母です。

若かりし頃に相当な横着をした母の所作が、そういうところにも出るようですが、最近はそういう光景もサッパリ見なくなりました。

おそらく、立って紙パンツを替えること自体がもう無理なんでしょう。

紙パンツがダイレクトに汚れないように尿取りパットをしているおかげで、漏らした時にトイレでパットだけ替えられるのは、母にとっては少しの安楽です。

お風呂もまだ、どうにか一人で入っているらしいけど、お風呂に入るだけで相当体力がいるようで、しんどいと言います。

手の力もかなり弱くなったようで、頭もしっかり洗えないのか、昔はきれい好きだった母の髪の毛には、フケのようなものがいつも付着しています。

立っていることもしんどくなり、手の力も弱くなった母は、台所に立って包丁を持つことも一切なくなりました。

不意に実家を訪れた時、母は洗濯物を干していることがよくあったけど、最近はそんな光景も見なくなりました。

パジャマで過ごすことが多くなった母の、パジャマのズボンの裾から見える足先は、いつも浮腫んでいます。

 

私の1年後の計画は、家を買って新しい生活をすることです。

買おうと思った当初は、悠々自適な一人暮らしを思い描いていましたが、今はちょっと考えが変わりました。

実家の母のそんな姿を見るうちに、母と同じ屋根の下で暮らして、母の世話をしたいと思うようになりました。

同じ屋根の下でなければ出来ないことはたくさんあるからです。

できれば、母には何とか今の状態を維持してほしいです。

私が定年後、敢えてすぐに職に就く予定がない理由の一つは母の世話をしたいからです。

勿論、そんな私の思いは母は知りません。

今まで食料品を運ぶだけで、普段は知らん顔をしていたくせに、勝手な娘だと言わそうですが、晴れてフルタイムの仕事から解放された暁に、私がしたいことNO.1です。

道子

60代一人暮らし 定年退職後、フルリフォームした中古住宅で暮らしています。