夜勤も終盤となる早朝
冬の間はまだ暗かった朝の6時も、この時期になるとすでに明るい。
起床の声かけをするため、入居者さんの部屋を順番に回ると、窓からは朝陽に照らされた絵画のような満開の桜が見えた。
電線がなければ最高の絵になったのだけど、まぁ、これも街の中にある桜としては限界の光景
この街に来て2回目の春にして、こうしてじっくり桜を見るのは初めてのこと
満開の桜は一晩夜勤を頑張った自分へのご褒美になった。
不満を言ってはキリがないけど、昨夜も要領のいい人がイヤな仕事を上手に避けて立ち回りしていた。
その尻拭いが全部ワンオペ夜勤に回ってくる理不尽さ
それもこれもひっくるめて夜勤の日当だと思えば腹も立たないと我慢してみるモノの、だって人間だもの、やっぱりイラっとする。
アホクサっ
どこの職場へ行っても似たり寄ったり
結局は要領のいい奴が何食わぬ顔をして生き残り、真面目一本やりが潰れるのは世の常
そんな不満がメラメラと湧いて出た今日
衝動的に、登録している転職サイトを覗いてみたら、家の近くに好条件の求人を発見した。
とりあえず、見学だけでもしてみようかと、応募欄に住所氏名を入力しかけて、やっぱりやめた。
そこが今の職場よりいいとは限らないし
時間を置いて冷静になって考えた時、いつも出す答えは「深く考えないで適当にやろう」
それだ。
今はパート社員の身
最近、ちょっと熱くなり過ぎていた自分を振り返り、適当という言葉が蘇ってきた。
会社を良くしようとか、ここを改善しようとか、そんなことを考えるのは私の役割ではないことを思い知った。
いつまで経っても成長しない成長しようとしない社員にいら立ちを感じても、マイペースで仕事をしようと思った。
明日は休み
気持ちを切り替えるにはちょうどいい。
夜勤明けの今日
仕事帰りに激安スーパーに行った。
仕事帰りの買い物は眠い
さっさと済ませて帰りたいので時間の節約になるし、余計なモノも買わない。
久しぶりに冷蔵庫の野菜室が満杯になった。
今日の夕ご飯
目が覚めたら夜の7時を回っていた。
暗くなった2階のバルコニーに干していた洗濯物を慌てて取り込み
それから夕ご飯
今日も生協食材が大活躍
洋食亭ハンバーグとナポリタン、あとは定番メニュー
タバスコを目一杯かけたナポリタンがピリピリして美味しかった。
いつもやさしい口調で話す職場の中年女子スタッフ
私が入社した時、始めて色々と話しかけてくれた人なのだけど、意外なことに入居者さんからの評判が良くないことを知った。
何でも強い命令口調で話すので、心優しい入居者さんは心が折れてしまうのがその理由だそう
人の話は両方から聞いてみないとわからないものだけど、やさしいとばかり思っていた彼女の裏を見てしまったよう。
ホントは心やさしい人でも、忙しすぎるとやさしい心まで失ってしまうのかも知れない。
上映中のロストケアという映画を観てみたいと思っているけど、介護職には裏の顔と表の顔ってあるのかも知れない。
家族のために働き続けて、家族のために美味しいご飯を作り続けて、最後は老人施設に入って介護者から心が折れるような言葉を浴びせられ
勿論、そんな施設ばかりじゃないだろうけど
そんな現場で働く一人の人間として思うのは、長生きすることが幸せなことだとは到底思えない。